2020年05月12日

陰の季節  横山秀夫

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横山秀夫の「陰の季節」。
D県警シリーズの第一弾小説で、
「陰の季節」、「地の声」、「黒い線」、「鞄」の
4つの短編で構成されています。

警察小説はあまり読んだことがないので、
「半落ち」にしても買ってから読むまでに相当の空白がありました。
"空白の6か月"ぐらい(笑)
何か読みずらそうというアレルギーみたいなものがあったのですが、
実際に読んでみると、その心配はまったくの無用でした。
短編なのでちょっとした時間に読めるし、
むしろ、読み終わった頃には澄み渡った青空のような爽快ささえ感じられます。

犯罪の捜査をする刑事が主人公という訳ではなく、
刑事部以外の部署にスポットライトが当てられています。
警察OBのポスト居座り、密会、失踪、
そして議員が持つ言葉の爆弾。
それらがキーワードとなって、様々な人間ドラマが描かれています。
基本は最後にドンデン返しが待っているような謎解きストーリーですが、
「犯人はこの人でした」のような終わり方でなく、
それによって引き起こされる主人公の感情の変化が面白い。
特に「地の声」は、ドンデン返しのドンデン返しのような結末で、
なんじゃこりゃと、ちゃぶ台返しをしたくなるオチでした。
めちゃくちゃ面白い。
警察という世界の中での出世争いを描いているとも言えますが、
出世のためならそこまでするかという内容に人間の闇を感じます。
「鞄」はその最たるものでしょうか。
"三十を過ぎたら友だちってのはもうつくれないよ"
という記述はちょっとグサッときました。
友達は信頼できる人が1人いればいいみたいなことを聞くけど、
同じ世界を生きている人に求めない方がいいのかなと思いました ^^;

一見、引っかかるような文章も、
あとあとになって伏線回収のような役割を果たしてます。
風景描写もしっかりあって、頭の中でドラマを描きながらストレスなく読めました。
著者の筆力と発想力に驚嘆します。

「64」とか「ルパンの消息」とかも買ってあるので、
自粛期間中に読んでおこうと思います。
posted by くまでらひとし at 16:58 | Comment(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月08日

湊かなえ 「告白」

いつも本を読むとすぐに内容を忘れてしまうので、
本を読んだら感想を書き留めておくことにします。

先日、横山秀夫の「半落ち」を読んで、
サスペンスものの面白さに気づきました。
続きが気になるハラハラ感が、
教養本ばっかり読んでる自分にとって鮮烈でした。
他にも良い本ないかな?と思って、
ソーシャルディスタンスを取りながら、
湊かなえさんの「告白」を買ってきました。


なんでもいいからサスペンスものをと思って
本当に適当に買った1冊だったのですが、
ここまでヘビーな本だとは思いませんでした。。。

以下、ネタバレしない程度に、
読み終わった印象を書いていきます。






あー今、コロナのことで全体主義者とか人権擁護派とかが
めんどくさいことしてんだろうなーと思ってたのですが、
極端な平和主義もいかがなものかとする自分には、
割とすんなり受け入れられるストーリーでした。
もちろん読んだ後、生気はなくなりましたが・・・
森口先生、怖すぎです・・・

今の時代でもこんなエグい本があるんだなーと驚きました。
むしろ本だからこそできるのか。
あれはダメ、これはダメと、テレビはもちろん、
Youtubeでも規制が広がっていく中で、
この本は、世の中綺麗ごとばかりじゃないという、
現実の残酷な面を読者に突き付けていると思う。
なにより文字が詰まっているのが怖いんだよw
適度に改行してくれれば読みやすいんだけど、
わざとそうしなかったんだろうね。
森口先生の語りの部分が怖すぎる。

正直、前半はなんだかなぁと思いながら読んでいたのですが、
視点が変わっていくのにつれて、
そういう心情があったのか、と、
事件、人物の見方が変わってくる。
客観的にみると悪なことでも、
当事者の思いを考えると善悪じゃ判断しきれないことってあると思う。
先生の復讐がその最たるものだけど、
これを支持できるか、できないかで、
この本に対する評価は分かれるのかなってところ。
現代社会における家庭環境とか、凶悪犯罪についてとか、
色々切り口はあるだろうけど、
殺人者を法で裁かず、生き恥をさらさすっていうのが残酷よね。
森口先生は前者ではぬるいと思ったんでしょう。
色々選択枝があった中で、あえてその選択をしたことに、
人間の泥臭さというか、リアルさというか、
狂気じみてるけど、実際そうだよなぁというものを感じてしまいます。

かといって少年Aの動機も分からないでもないんですよね。
少なからず彼の母も影響しているのだろうなと思うと、
若干不憫なところもあります。
だからといって、関係のない人を巻き込むのは許されませんけどね。
そういう形でしか心の隙間を埋められない人間が現実にでもいるとしたら、
ちょっと思いとどまって欲しいかなと思いました。


色々考えさせられる小説です。
映画もあるようなので、自粛中、観てみることにします。
久しぶりに心を揺さぶられるものに出会えました。
posted by くまでらひとし at 01:37 | Comment(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月05日

色々所感

・新聞の電子版を読み始めた

きちんと情報収集をしないとなぁと思って、
最初はコンビニでいちいち新聞を買ってたけど、
これを機に電子版を読み始めた。
シンプルに色んな情報載ってて面白い。
っていうかそれを面白いと思える人間になりたい。
読書もちょいちょいしてるけど、内容すぐ忘れちゃう。
脳のハードディスク容量を増やしたい。
DHA飲めばいいですか?




・ホームセンターめっちゃ混んでる

コロナで自粛ムードが広がる中、
みんなの生活のためにやむなく営業してるお店もありますよね。
従業員の方々は、毎日本当に大変だと思います。
(透明シートにキレる人がいるぐらいだから)

に、してもホームセンター込みすぎでは・・・
比較的感染が少ない地域だからかもしれないけど、
普通に買い物してるとしか思えない。
DIYとか掃除用品とか買ってるのかな。



・白のミシン糸、売り切れる

ごめんなさい、↑のようなこと言いながら
私も1回だけ買い物に行ってしまいました。
どうしても白いミシン糸が欲しかったんです。
マスク作るために白いミシン糸が必要でして・・・

売り場に行ったら白は売り切れてました。
残されたのは赤と緑・・・、使い道ないなー。
はい、すみません、ネットで買えるものはネットで済ませます。
自粛警察の方々、すんません。



・豚汁めっちゃ作ってる

最近ようやく自炊するようになりました。
ちゃんとしたものを食べて免疫力を上げたい。
ネギとニラをメイン食材に据えて、色々作ってます。
スーパーに加熱済の豚汁用具材があったので、
豚肉も加えて豚汁にして頂いてます。
だしも入れてちゃんと作ってるんだけど、
なんかもう一味足りない。
野菜が既に加熱されてるから、
野菜のおいしさみたいなのが足りないのかな・・・

どんぶり2杯分ぐらい食べてます。
免疫力あがっても、塩分過多になってます。



・手芸また始めました

一時期洋服のリメイクに興味がわいて、
資格のキャリカレを始めたのですが、
仕事が忙しくなったこともあって挫折。
コロナで時間ができたので、またチャレンジしてみます。
3DS買ってゲームもやってるんですが、
すぐに昼夜逆転してゲーム廃人になってしまったので、
自分への戒めという意味もありますw

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Tシャツでエコバッグを作りました。
袖と首のところを切って、底?を縫っただけです。
今日実際に買い物で使ってみたのですが、
1往復しか縫ってないので、底抜けるんじゃないかとハラハラした。
そのうちコンビニでもレジ袋有料化されるはずだから、
今から習慣にしておきたい。




・何が正しいのだろう

感染拡大を防ぐために自粛の徹底を主張する人もいるし、
経済状況を考えて、重症化しやすい高齢者は自粛、他の人は働くと主張する人もいる。
私は後者寄りだけど、それで万が一自分が感染して、重症化しちゃったら悲しい。。。
死亡率は低いかもしれないけど、絶対とは言い切れないからね。
どうしても何かを犠牲にしないといけないのだろうか・・・
posted by くまでらひとし at 01:01 | Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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